キム社長と秘書２

鈍感 ページ29

yourside------




鈍い。


社長は、鈍いと思う。




何度か家まで来てもらって

料理を食べてもらって。




秘書の仕事を超えていることは明白なのに。


なんだったらお弁当の時点でもう秘書ではないし。



なのに



NJ「食事の管理ができて助かる」



とかクールな顔して言うだけだし。





帰りに買い物行くっていうと普通についてくるし。


お肉の種類なんて全く知らないし

野菜ですらいくつか見分けがついてない。




スーパー行ったことないのかしらと思うほど。




でもそんな社長だから、買い物が楽しそうだし

新たな食材や料理を知って、なるほどって言ってる。





私といることは、未知の分野を開拓してるにすぎない。






だって、一緒に買い物して

家に帰って一緒に食事して
　



普通にこれって、そういう展開？って気づくでしょ。





なのに、なんにも変わらない。





以前より少しだけ優しく丸くなったような気はする。


すまない、とか、悪い、とかはよく言うようになった。



私のことに少しは興味をもってくれて、

プライベートな話も聞いてくれるようになった。





でも進展しない。


私からもさせない。




だって、社長のことだから気づいたら

公私混同はしない、とか言って


冷たくされそうだし。


なんだったら秘書の仕事をクビになるかもだし。






だけど、少しは近づきたくて

こうして社長の胃袋から攻めてやろうと思ってる。







今日はチキン南蛮について調べてはなるほど〜って

聞いてるかと思えば




NJ「男には作らないのか」


とか聞いてくるから




『作りませんよ。そんな人いませんし

　社長が言いましたしね
　
　好きでもない男と食事なんてするなって』


って言ったのに



　

NJ「そうか‥言ったな そんなこと」




なにそれなにそれ


違うでしょ。





好きでもない男と食事はしないって


でもあなたとしてるんですけど？？？

しかも家にまであげて。





なのになんでスルーかな。



鈍いのかなこの人。




本当に鈍いのか

わかってて気付かないふりしてる？


私にはよくわからない。

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