キム社長と秘書２

無知 ページ26

NJ「‥‥うまい」



NJ「なんでこんなにうまいんだ」




『食事になると褒めてくれますね』



いつもだが、今日もまた格別にうまいんだ。




NJ「食事以外は褒めてないみたいに言うんだな」


『‥失礼しました笑』




NJ「チキン南蛮か‥なぜ南蛮というんだろう」


気になることはすぐスマホで調べたい性分だ。

検索すると、由来や作り方まで出てくる。





NJ「なるほど‥‥甘酢？だからこの味なのか。
　
　 タルタルソースって、え 作れるのか？」



『作れますよ。このタルタルソースも作りました』



NJ「信じられない。タルタルソースなんて、店でしか」



『そんなに難しくないですよ。混ぜるだけだし』
　






いつも俺の知らないことがたくさん知れる。




NJ「俺はこういうことは本当に無知だな。

　 Aさんは何でも知ってるのに」





他の社長と食事をすることもあり、高いお店にはよく行く。


でも料理の名前だけで、素材や作り方は全く知らない。


料理は詳しくないので‥と話してやり過ごすか、

最近はAさんがフォローしてくれていた。



『私は作ったり人に食べてもらうのが好きなので。

　自然と詳しくなるだけで。

　でも社長がやってる仕事のことは難しいです』




NJ「人をもてなすのが好き、ってことか。

　 よくこうして誰かに食事を振る舞うのか？」




『友達にはたまに、ですね。
　
　同期の子たちとは、たまに集まります』





そうなのか

その友達に、男が‥なんて想像してしまい、

勝手にもやもやしてしまう俺はダサいなと思う。








『でも、いつもは女の子ばっかりなので、

　作るものもちょっと小洒落た見た目にしたり

　ヘルシーさを重視してます。

　社長は、男性なのでまた変えてますよ』





NJ「男には作らないのか」



『作りませんよ。そんな人いませんし』




そうか

なんて内心ほっとしてる俺は 本当にダサいな。




『社長が言いましたしね
　
　好きでもない男と食事なんてするなって』


　

NJ「そうか‥言ったな そんなこと」



食事をごちそうになってる男はいない、か。

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