記憶と匂い (ページ6)

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帰り道、横を歩くAの耳で揺れるピアス
そのキラキラした輝きが
君の笑顔をいつにも増して可愛くさせ見惚れてしまった

「ジミン！？・・信号青だよ」

「ぁっうん (笑」

「何か？・・顔についてる？」

頬を軽く撫でた君
俺は首を横に振った

JM「ピアスがよく似合ってるって思って」

「ありがとう///」

小さく照れた君の頬の色と同じ夕焼け空が
もうすぐ夜空に変わるそんな時間帯

なんだか物悲しく感じるのは
これからAを家に送って行かなきゃいけないからかな

一緒に居ればいるほど
まだ君を帰したくない
このまま君とずっと一緒に居られたら
そう思うと自然と繋いでいる手に力が入った

JM「ねぇA」

「ねぇジミン」

ほぼ同時に呼び合って
お互い視線を合わせながら信号で止まった

「なに？ジミン」

JM「いやAは？先に話して」

「うん、、あの」

視線を小さく外したA
その顔は照れてる様に見えた

「私ねまだ一緒に居たいなって・・思って」

照れた小さな声は
普段なら雑踏と車の音で聞こえなかったかもしれない
でも今の俺にはハッキリと聞こえた
それは今まさに同じことを考えていたからかもしれない

「でもジミンの都合がっ」

JM「どこ行く？」

「えっ！？」

JM「行こう！！」

繋いでる手を握り直すと
流れる人並みから抜け出す様にして走り出した

少しでも君の家から離れた場所へ
そんな少し青春ドラマみたいな事思いながら
人並みを抜けた

息が切れてきた頃
沢山の桜が咲く事で有名な大きな公園が見え
ベンチに２人切れた息で座ると
どちらかともなく笑い出した

「ジミン急に走り出すから驚いちゃった (笑」

JM「でもなんか俺達ドラマの主人公みたいだった？ね？ (笑」

Aは大きく笑いながらも
【なんだか嬉しい】と言った

「ジミンもまだ一緒に居たいと思ってくれたのと
あと、こうして思い出になる事が増えて
・・・私、記憶無くしてから
思い出せない時の私はどんな風で
どんな思い出があったんだろうって考えちゃう時あって」

俺はAの肩を優しくさすった

でも実のところ俺は
Aの記憶が戻ればいいと願いながら
記憶を取り戻した時そこに俺は必要じゃなくなっているかもって
そんな不安が常に心の中にある
そしてそんな自分が嫌になったりもしている・・