23 ページ23
駅前の雑踏の中
沈黙のまま歩くジミンと私
・・・ジミンに言わなきゃいけない事も
聞きたい事もあるのに 言葉にできないまま
気が付けば商店街を抜けた信号まで来ていた
点滅し始めた信号が赤に変わり
そのまま足を止める
前だけ見ていた視線を少し緊張しながら横に立つジミンに向けた
・・・気づいてるはずなのに
真っ直ぐ前を向いたまま私を見ようともしないジミン
『ジミン』と呼ぼうと思うけど
口を動かす事が出来ず
視線をゆっくり下げ 握られた手に向けた
JM「・・Aっ」
はっとして視線を上げると
私を見つめるその瞳は優しく微笑んでいた
・・・ジミン！！心から呼んだ名前は声にならなかったけど
同時に私はジミンの胸の中に飛び込んだ
JM「ぉっっ。。ちょっA」
少し慌てたジミンの声と様子に
私も慌てて胸から離れた
「・・ごめん//」
頭をポンポンとされて視線を上げた
JM「A、信号がまた赤になる前に行くよ」
差し出された手を掴むと私達は急いで信号を渡った
〜〜公園
JM「怒ってなんていないよ俺」
ジミンは座っているブランコを小さく揺らした
JM「バイトするかしないかはAが決める事だから」
「・・でも ジミン
テヒョンに頼まれた時断りなって言っ‥」
JM「言った、言ったよ..
でもあれはあくまで俺の...思いだから
別に....うん...それは・・・」
街灯がまばらな公園は薄暗く
隣のブランコに座る私でも
歯切れの悪いジミンの表情はいまいち分からなかった
「ジミン 何で断りなって言ったか
教えて・・くれる？」
JM「・・・・うん」
視線を暗い空に向けたジミンは
そのまま話出した
JM「覚えてる？A
前、俺に俺だけに話してくれただろ
・・・記憶・・が戻らない自分は
色んな事に自信がもてないって
新しい事にチャレンジするのが怖いって・・」
・・・覚えている
ジミンだけに話した事で
実を言うと
今もほぼ変わっていないし、今でもジミンにだけしか言っていない事
JM「‥だから心配で・・
俺、無理してほしく無かったんだ
優しい君はテヒョンの頼みを断れないかもって
それなら、俺が断ればって言えば
少しは言いやすいんじゃないかって思って・・」
空を見上げたままのジミン
その横顔に胸が小さく詰まった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 124人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：じに | 作成日時：2021年7月16日 16時
