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ユンギは私の分もスコーンとコーヒーを用意してくれたけど、正直食べる気分じゃないというか。
悪い意味じゃなくて良い意味で落ち着かないからだ。

自分がさっき泣きながらユンギに何を口走ったのかっていう事が今更影響して、穴があったら入りたいって。


「もう分かってると思うけど」


全く暑くないのに熱い顔に幾許(いくばく)か冷たい手を頬に当てた私に、一個目のスコーンを食べ終えたユンギが話し始めた。


「元カノとは何もないから」


その後で静かにコーヒーを啜ったユンギだったけれど


「でも、ユンギさんの部屋に写真が…」


信じられない訳じゃないけど、目にしたそれを口に出さずにはいられなかった。
でも直後にユンギが'写真?'と上目遣いでこっちを見て、墓穴を掘った事に気付く。


「…見る気はなかったんですけど、ユンギさんの荷物置きに入った時、給湯が付いたままで…それ消したら部屋の中が見えて…すいません」


言い訳だ。
もうこんなの余計スコーンなんか尚更食べる気にならない。

当然、部屋を勝手に見た事を多少なりとも咎められると思ったのだけれど、ユンギは無言で立ち上がって、その写真のある部屋へ向かってしまった。

それから直ぐに私が見たその写真立てごと持って戻ってきて


「これ置いてあった事、ほんっとに忘れてた」


まるで初めて見た様な顔してそう言うから、肩から力が抜けてソファの背凭れに背中をくっ付けた。


「ユンギさんの部屋なのに、なんで忘れるんですか?!」


「だってもうあのスペース自体何年もあのままで…、忘れるだろそりゃ」


「掃除とかしたら気付くでしょ普通」


"どれだけ見てないんですか"と言いたかったが、それを言うより元彼女へ未練がない事が分かった脱力感の方が大きかった。
だから言葉を飲み込む為にやっとコーヒーを一口。
もう生温い。

写真立てを見ながら首を傾げ再度ソファに座るユンギを見て、首を傾げたいのは私の方なんだけど、と思った。

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かむ(プロフ) - にゃんさん» 最後まで読んで頂きありがとうございます🥹しかも新しいのまで!何回でも読み返して下さい!笑 (4月2日 15時) (レス) id: 5dfe42fd36 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - ユンギさんのお話最高でした!!最高すぎるのでもう一度読み返しに行ってきます!!(今更新中のお話もとても楽しく読んでます!私の日々の楽しみです!) (4月2日 12時) (レス) id: b48cf01a74 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - u512さん» 私のペンになんて嬉し過ぎます🥲✨私もいつも終わらせたいような終わらせたくないような気持ちで書いてます!(笑)最後まで読んで頂きありがとうございます🥹 (4月1日 10時) (レス) id: fb7c0dcb39 (このIDを非表示/違反報告)
u512(プロフ) - やはり最高です‼️‼️かむさんペンになってしまいました‼️一生終わらないで欲しいと毎度思ってます‼️最強に拗らせられました‼️‼️これからも楽しみにしています🥹✨ (4月1日 9時) (レス) @page34 id: 37a21340a3 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - 苺あめさん» 見てきたかのようななんて嬉しいです🥹こちらこそ読み続けて頂いてありがとうございます! (3月31日 20時) (レス) id: 03d417d136 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かむ | 作成日時:2024年3月27日 23時

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