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ユンギが私の名前呼んだ、うわぁ、なんか凄い。
なんか凄いの"なんか"の部分は定かではないのだけれど、ちょっとした抽選が当たった時のようなホクホク感があった。
だから"なんか凄い"って。
玄関のドアを閉めると、中に立っていたドユンが
「例の隣の芸能人、誰?」
'よく分かんなかった'と言って、何故か小声。
ここでユンギと言っていいものか。
これから同期同士、くだらない話に花を咲かせて楽しく過ごすのに?
「、私も分かんない、でもこないだチキンくれたから、お返ししたかったの」
言わない事にした。
ユンギの話を根掘り葉掘りするのは違う気がして。
それに今日の同期の中にファンがいる、つまり隣にメンバーのユンギがいるなんて知ったら、同期で楽しむどころではないだろう。
私が直接話したなんて知ったら尚更。
「名前聞いてないの?」
「なんで聞くのよ、別に必要ないじゃん」
上手く誤魔化せただろうか。
ドユンからの返事がどう返ってくるか少し緊張したが'それもそうか'と返ってきて、胸を撫で下ろした。
ドユン達とは遅れる事三十分。
残りの二人の同期が来てやっと全員が揃って、それを見計らったようにチキンとピザの配達が来て
「かんぱーい!」
引っ越し祝いという名目の同期の会が幕を開けた。
でも、私の忠告通りノンアルコールで。
最近の仕事の事から始まり、嫌な上司の愚痴やら何処の何が美味しいとか流行ってるとかそんな話まで。
だから当然
「ドユナ、お前そういえば好きな人とどうなった?」
恋愛の話も出てくるのは時間の問題だった。
ただそれの最初の標的がドユンだとは。
ドユン本人が一番意外だったようで、ゴフッと鈍い音を出して咽せていた。
その図星とも取れる反応に同期達のテンションがまた一段と上がる。
「いや、それは…」
「ねぇその反応もしかして同じ社内にいるとか?!」
「そうなの?!いつの間に」
それには私も同意見だ、いつの間に。
そんな話全然してくれなかったから。
ピザを食べていたから話に入れなかったのだけれど、今それを飲み込んだから
「さっさと告白すればいいのに」
という適当なアドバイスをすると、隣に座るドユンが耳を真っ赤にしたまま
「、出来るわけないだろ、そんな簡単に」
なんて少し拗ねて言うから、余程好きなんだな、と。
そんな風に人を好きになれるの羨ましい。
久しく恋愛なんてしてないからな。
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かむ(プロフ) - サマンサさん» 彼には平然と煽ってもらいたくてこうなりました😂 (3月27日 19時) (レス) id: 03d417d136 (このIDを非表示/違反報告)
サマンサ(プロフ) - 煽り上手なユンギ痺れます...! (3月27日 17時) (レス) @page43 id: 950212af01 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - 苺あめさん» こちらこそ目を通して頂きありがとうございますㅜㅜ少しのんびり更新ですがにはなってますが是非最後までお付き合いいただけたら嬉しいです! (3月26日 12時) (レス) id: e587d3099d (このIDを非表示/違反報告)
苺あめ(プロフ) - かむさん、ユンギのお話をありがとうございます。ユンギと隣の彼女の関係が出会ってから急激に近くなって、でも元カノも出てきたりして、この先の展開が楽しみで仕方ありません。毎回、更新を楽しみにしています。これからも頑張って下さい。 (3月26日 10時) (レス) @page36 id: 3780d68ff4 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - にゃんさん» わーありがとうございます🥹そしてユンギペンさま…ご期待に添えられるかわかりませんが、良ければ最後までお付き合い頂けたら嬉しいです🥹 (3月21日 9時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かむ | 作成日時:2024年3月20日 20時