検索窓
今日:280 hit、昨日:684 hit、合計:109,153 hit

33 ページ33

ユンギに頼まれた通り当日、仕事が終わった後で初めてコンシェルジュのいるカウンターへ足を運んだ。
しかも初めての用事がユンギさんの荷物受け取りというのもあって、尚更。

ユンギから予め委任状的な物をカトクで受け取っていたから、スムーズに荷物を受け取る事ができた。
後は部屋に入るのみ、である。
実はそれが一番緊張する瞬間かも。

当然だが、ユンギから貰った部屋のナンバーをテンキー入力するとドアが開いた。
いや、当然なんだけれど。


「ほんとに開いた…」


そう呟いてしまっていた。
そりゃそうでしょ、と自分自身に心の中でつっこみつつ、家主のいない部屋に恐る恐る入る。

自分以外の人の気配がなく静かなユンギの家。
何となく足音をたてちゃいけない気がして、ずっとそろそろと歩いて荷物をソファの上に置いた。
任務遂行完了だ。


「わ、ユンギさん…電気代勿体な…!」


私がそう独り言を言った理由は、給湯器のパネルが目に入ったから。

給湯がONになっている証拠のライトが付きっ放しになっていれば嫌でも目に入る。
私の部屋と同じだし余計だ。

それをパネルの給湯を消した後で、その横の部屋のドアが開いていて今度はそっちが目に入る事になった。
多分、ユンギの仕事部屋、のような。
デスクに椅子にパソコンにヘッドホンに、なんかよく分からない機械もあって、諸々。

ここで仕事してるんだ…
足こそ入れないものの珍しくて、目が離せないのが良くなかった。

戸棚の上に並ぶ数個ある写真立て。
それまで足を入れずに思いとどまっていたのに、思わず足を入れてしまった。


「これ…あの人…」


家族との写真、メンバーとの写真、その中にそれがあった。
前に私に荷物を渡してくれと頼んだ"あの人"だ。
ユンギの元彼女、とユンギ。

やっぱり。
まだ写真を置いているくらいこの人の事_____

一点の曇りもないあの人の笑顔より、その隣に写る少し若々しいユンギの笑顔に何とも言えない感情が湧いた。
言葉では言い表し難い。

だから写真立てを元の場所に戻して、ただ家に帰る。
やる事はやった。
私は何も見てない。

ドアを開けて自分の家に帰ろう。


「えっ…」

34→←32



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (173 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
553人がお気に入り
設定タグ:BTS , 防弾少年団 , ユンギ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

かむ(プロフ) - サマンサさん» 彼には平然と煽ってもらいたくてこうなりました😂 (3月27日 19時) (レス) id: 03d417d136 (このIDを非表示/違反報告)
サマンサ(プロフ) - 煽り上手なユンギ痺れます...! (3月27日 17時) (レス) @page43 id: 950212af01 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - 苺あめさん» こちらこそ目を通して頂きありがとうございますㅜㅜ少しのんびり更新ですがにはなってますが是非最後までお付き合いいただけたら嬉しいです! (3月26日 12時) (レス) id: e587d3099d (このIDを非表示/違反報告)
苺あめ(プロフ) - かむさん、ユンギのお話をありがとうございます。ユンギと隣の彼女の関係が出会ってから急激に近くなって、でも元カノも出てきたりして、この先の展開が楽しみで仕方ありません。毎回、更新を楽しみにしています。これからも頑張って下さい。 (3月26日 10時) (レス) @page36 id: 3780d68ff4 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - にゃんさん» わーありがとうございます🥹そしてユンギペンさま…ご期待に添えられるかわかりませんが、良ければ最後までお付き合い頂けたら嬉しいです🥹 (3月21日 9時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:かむ | 作成日時:2024年3月20日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。