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初見は感じ悪!なんて思ったのに、今となってみれば隣に住んでたのかユンギで良かったとさえ思う。
人間どこでどうなるか分からない。
私の愛すべき城がユンギの存在によって、もっと魅力的な場所になっている気がする。
ユンギがいなくなったらつまらないなと思う。
こうやってたまに他愛のないお喋りをしたり、食べ物を送り合ったり、くだらない事でお互い行ったり来たりするのも悪くない。
いや、むしろ楽しい。
「…だから…引っ越さないで…」
「…Aもね」
私もって何?
そう思って目を開けた。
うちの天井だ。
「30分以上経ったけど」
頭の上の位置から声が聞こえて、首を反らしてその方向を見る。
私の頭のすぐそこだ。
というより私の頭が脚にくっ付いてる。
「お酒弱いんじゃん、気持ち良さそうに寝ちゃって」
微かに微笑みを浮かべたユンギが私を見下ろしていて、額をノックする様に軽く小突いた。
何この状況。
と思うのと同時に飛び起きた。
自分の家じゃないし、自分の家のソファでもない。
あちこちに目を向けて確認作業をした後、またユンギに目を向けると、当然そこに座っていて。
「…今、何時ですか」
私の質問に人差し指を何処かに向けた。
その指を追うとシンプルな掛け時計があって、どう見ても二時を過ぎていた。
二時…
明日の朝、起きられる気がしない。
額を抑えて声にならない声で悶える。
いや、それもそうなんだけど…と段々鮮明になる思考回路はこうなる前の状況も思い出し始めた。
トッポッキ食べて焼酎飲んで、ユンギがウイスキーなんか飲み出して、私が酔って眠くなって、三十分だけってダイニングテーブルの上に_____
そこで矛盾に気付いた。
私が今いるのはソファ。
一人分もないスペースを空けてユンギがいるのもソファ。
「…ユンギさん、あの…私なんでここに…」
時間を聞くよりよっぽど緊張した。
焦りか心配か、それとも…
今度の私の質問にはユンギも'あぁ'と声を出して
「起きないから俺がここに運んだ、けど、寝室に連れてってほしかった?」
'俺のファンだから'と付け加えて言った。
私、まだ寝てるのかもしれない。
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かむ(プロフ) - サマンサさん» 彼には平然と煽ってもらいたくてこうなりました😂 (3月27日 19時) (レス) id: 03d417d136 (このIDを非表示/違反報告)
サマンサ(プロフ) - 煽り上手なユンギ痺れます...! (3月27日 17時) (レス) @page43 id: 950212af01 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - 苺あめさん» こちらこそ目を通して頂きありがとうございますㅜㅜ少しのんびり更新ですがにはなってますが是非最後までお付き合いいただけたら嬉しいです! (3月26日 12時) (レス) id: e587d3099d (このIDを非表示/違反報告)
苺あめ(プロフ) - かむさん、ユンギのお話をありがとうございます。ユンギと隣の彼女の関係が出会ってから急激に近くなって、でも元カノも出てきたりして、この先の展開が楽しみで仕方ありません。毎回、更新を楽しみにしています。これからも頑張って下さい。 (3月26日 10時) (レス) @page36 id: 3780d68ff4 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - にゃんさん» わーありがとうございます🥹そしてユンギペンさま…ご期待に添えられるかわかりませんが、良ければ最後までお付き合い頂けたら嬉しいです🥹 (3月21日 9時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かむ | 作成日時:2024年3月20日 20時